第18回 その他、芸術のみかた 5/5

5. 文学、哲学「芸術」と聞いて瞬時に「文学」と結びつく人は少ないかもしれません。しかし文学は古代ギリシア以前から、文字の発達とともに、人々に情報伝達や啓蒙、娯楽のツールとして広く親しまれてたものです。文学の特徴は、誰でも“読める”けれども、必ずしも“楽しめる”とは限らないところ。時代によっては専門の知識が要求されることもあり、直感的に理解するのが難しい部分があるのも確かです。しかし理性でその魅力を受け入れることができれば、より深い感動が生まれることでしょう。そんな文学のみかたとは、実に多彩。ストーリーの展開を楽しむ、人物の心象の微細な変化を楽しむ、教養や歴史を知ることを楽しむなど、好みによってさまざまです。なかでも文学ならではの魅力といえば、文章を半永久的に保存できる点でしょう。さすがに本の素材や挿絵の隅々までを正確に写し取ることは不可能ですが、「何が書かれているか」という記号そのままの意味を読み解くことは理論上、可能なはずです。特に近年では電子書籍化やデータベース化への動きが活発になっているので、文章をはるか先の未来にまで伝えていくことができます。これは画や写真のように、作品そのものが劣化してしまうタイプにはない特徴。文学の本質は文字や記号の羅列という解釈で、時空間を問わずに再構築することが可能となるのです。

文学以上に芸術と捉えにくいのが「哲学」でしょう。しかしこの領域も、「何かを伝えたい、表現したい」という人の強い意志が表れています。文学と同じように文字の集合体なので、数千年前の偉人の思想や発言に触れることができるのです。哲学のみかたとは「柔軟な解釈」の他にはありません。同じ人間が考えた「こうあるべきだ」という想いは時代を超えても共通する部分があるものです。哲学者の思想はどれも個性的なものばかり。なにも「たまごが先か、にわとりが先か」のように、単なる言葉遊びとして見られてしまうものばかりではありません。新しいもののみかたにハッとさせられたり、現代でも生かせる思考法や処世術、物事の解釈ができるようになったりすることもあるでしょう。「快楽主義」、「自我」、「輪廻転生」や「中庸」などのキーワードを聞いたことはありませんか。自分が思う世の中のみかたや、世の中に対する方向性を見つけたら、ぜひ同じ考えを発表した哲学者を探してみてください。

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