第19回 わからないときはどうすればいいの!?

世の中にはアートに関心を持っている人ばかりではありません。学生時代、画や工作がニガテだったという人も多いでしょう。作品を作家やタイトルの有名無名だけで判断したり、鑑賞にあたって他の人の解説を鵜呑みにしたりするのは良くないことですが、アートに詳しくないからといってはじめから否定するのも好ましくないことです。作品を目の前にして生まれるイマジネーションや、何をおもしろいと感じるかは人それぞれ。時には作品の良さが全くわからないこともあります。
それを解決するための方法も千差万別。例えば芸術への理解を深めるために、学問を修めるのもひとつ。美しいとは何か、芸術とは何かということををする「美学」や、文献からさまざまなことを読み解く「解釈学」といった方面からアプローチしてみるのもアリでしょう。最終的には、自分なりに何をどう思うか、という思考の訓練を促すことが大切になってきます。自分で作品をつくってみるというのは効果的な方法ですが、面倒だと思う人が大半ですよね。そこで自分の判断や考えの基準がわからないという方にオススメの方法があります。
簡単にいえば「自問自答」。例えばトップページにある風景画を見て、「自分が気になったところ」を5つ挙げてみてください。黄色いな、ぼんやりしてるな、流れているようだな、といったレベルで十分。もし5つ見つけるのが難しければ、3つでも構いません。挙げたら次に、なぜそこが気になったかを自分なりに説明してみるのです。なるべく「なんとなく……」という感覚だけの理由はナシとしたいところ。しかし、「なんとなく、不安な感じになった」という感情を説明できるものならOK。そのままなぜそう感じたのか、なぜそう思ったのかを自分の中で繰り返し問いてみるのです。そうしたみかたを何度か経験していくと、いつか反復されたイメージが生まれてきます。「この感情は、以前他の作品でも抱いたものだ」という認識が重なっていくと、やがて自分の芸術観が研ぎ澄まされていくことでしょう。論理的に・感覚的に、主観的に・客観的に、いろいろな目線で比較しながら芸術に触れていくこと。芸術に点数や正解はありません。トップページの画像はモネの『睡蓮』という、わりと有名な作品の一つ。しかし、これを退屈な画だと感じる人がいることは何も不思議なことではないのです。わからないときには、自由な解釈を楽しむ余地があると考えてみてください。そして、めげることなく前向きな気持ちでいろいろな作品と向き合ってほしいものです。

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