独特のタッチと目の覚めるカラフルな色彩で存在感を示し、全盛当時の方達だけでなく、現代の我々にとってみても素晴らしいアートです。
さらにこういった海外生まれのアートでは無く、完全なるメイド・イン・ジャパンの作品というのは、海外の方々に高く評価され、本国の人間が思っている以上に貴重なモノとして扱われています。
近年では、そんな浮世絵の良さを若い世代のアーティスト達も再認識し、現代風のアレンジを加えて作品作りをしている方々も多いのだそうです。
さて、そんな浮世絵をユニークなモチーフでイラストレーションして話題になっている現代アーティスト「AIKO」はご存知でしょうか?
勿論、浮世絵を専門にイラストレーションしている訳では無く、独自の視点で様々な作品を発表。その奇才ぶりに世界中のアートシーンが大注目している日本人の1人です。
現在ですが、ニューヨークにあるジャパン・ソサエティ・ギャラリーで「江戸ポップ:浮世絵に見るグラフィック感性の魅力」展なるイベントが開催されています。
100点以上の浮世絵にプラスされる、10人の現代美術家の作品30点が所狭しとインスタレーションされている、とのことですが、そのうちの1人にAIKOが参加しています。
その作品はパーマの髪を1本に束ねた女性が上半身裸で後ろ向きに座る絵を中心に、さざ波、花、蝶などが舞飛ぶインパクトを与える壁画。
勿論、浮世絵タッチの大胆な構図で描かれており、日本的要素と現代的な色彩感覚や繊細な線を併せ持つ、独特の世界観を感じることができる作品になっています。
独特のセンスを伝統的な浮世絵に落とし込める感性は、世界で活躍する彼女ならではです。浮世絵では無く、普通の絵画だけだったら、ここまで感動は無いかもしれません。
やはり、日本人の描く浮世絵というのは、元々持ち合わせている“日本人独特の美的センス”が注ぎ込まれているように感じてしまうので不思議です。
ちなみに、AIKOですが、ルイ・ヴィトンの2013SSコレクションで何と、スカーフでのコラボレーションを実現しているとか。
こういった新進気鋭のアーティストがアクティブな活動を見せてくれるというのが、日本のアートに元気を与える大切な要素でもあります。
ニューヨークの浮世絵展示も6月9日まで開催しているそうなので、行く機会のある方はリアルな浮世絵を感じに出かけてみてはいかがでしょうか?