「今年も魅せる千總の線香花火」

夏になると、日本人としては花火が恋しくなってきます。大きな音を立てて夜空に大輪を咲かす打ち上げ花火も素晴らしいですが、やはり日本人としては線香花火のあの果敢なくも、淡い光に心が奪われますよね。

さて、この線香花火なのですが、実は殆ど国産で作られてはいないようです。線香花火の需要も考えながら、さらには安価な線香花火を家族連れが楽しむぐらいで、ゆっくりと線香花火を庭で楽しむ余裕が日本人になくなったのも原因でしょうか…。

どちらにしろ、線香花火ファンの自分としては、非常に寂しい限りです。しかし、その国産花火を毎年職人の手で作り上げる、老舗があることをご存知でしょうか?それが京都にある「千總」というブランドです。

1555年創業の京友禅の老舗である、この千總ですが、伝統の着物だけでなく、その技術を駆使したストールやバック、その他小物など、様々なアートワークを駆使して世界観を作り上げているのです。そんな千總が毎年夏になると、発表しているのが、線香花火です。大量生産というカタチをとることはせず、ひとつひとつ丁寧に紙に火薬を詰め込み、まさに芸術作品のような、美しい火花を描く、最高傑作です。

今まで、線香花火を使ったことがある方であれば気がついていたかもしれませんが、実際線香花火というのは、段階を経ていき消えています。しかし、その段階というのはしっかりと注目しておかなければ、そのまま見過ごしてしまう程、繊細です。

そのため、大量生産されている線香花火では、その火花の段階がこだわって作られておらず、かなり適当な感じになってしまっているのです。しかし、今回紹介した千總の線香花火は違います。表情を花のように変化させながら、少しづつ景色を作って行く儚さが表現されています。

「牡丹」「松葉」「柳」「ちり菊」と、段階を変化させていくその姿は、まさに日本人の心を揺るがず、大人の夏といった風情を醸し出す演出になっています。何となく、仕事が忙し過ぎてゆっくりできていなかったり、夏という季節にかまけて、レジャーばかりに精を出すのは今年は止めてみましょう。

ゆったり、夏の夜を落ち着いて楽しむ…本来、日本人が持っている感覚を今一度研ぎすませてみてはいかがでしょうか?

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