「Boards of Canadaのアートな音像」

エレクトロ二カ、ベッドルームミュージックと言われるこのジャンルが今のように溢れ返っていなかった頃。スコットランドの2人組からなるエレクトロニックデュオ「Boards of Canada」が1998年に発表した「music Has The Right To Children」が世界の音楽シーンに衝撃を与えました。

甘美でノスタルジックな音の洪水と、ブレイクンビーツを思わせる独特のリズムが合わさり、まさに新しい世界を作りだしました。

その後のエレクトロニックミュージックに大きな影響を与え、現在でも活躍しているアーティスト達の奏でる音によっては“Boards of Canada風”とさえ、言わせる程の影響力を放っていた伝説のユニットであったことは間違えないでしょう。さて、そんなBoards of Canadaなのですが、最後にアルバムを発表したのが8年前にこと。

もう、活動自体がストップし、生ける伝説として終わってしまったのかと思いきや…。何と、今年ニューアルバムを発表したんです。このニューアルバムはファンは勿論なのですが…音楽シーンに衝撃を与えました。

退廃的で懐古的な内容、斬新に斬新を重ねたネクストレベルの音像か…。音を一瞬聞いた途端、前向きでありながらただただ美しいとしか言いようの無い、良くも悪くもBoards of Canadaらしいアルバムになっています。タイトルも「Tomorrows Havesut」、明日への収穫といった意味合いであり、まだまだ健在であること、そしてこのアルバムが終着点でないことを現す、嬉しい内容です。

また、Boards of Canadaと言えば、その幻想的なアートワークが有名です。今回は水平線に沈んでいく夕日、または朝日が上っていくかのような褐色の空と雲。それを反射させる川。そして、その奥には街がさりげなく見えるという、情緒的な中にも希望を見せる素晴らしいアートワークになっています。

近頃は中身もなく、ただ無意味に言葉の配列の曲名も多いのです、興味も湧かなかったのですが、Boards of Canadaのこのアルバムは全てが謎に包まれ意味を内包していると思わせる傑作です。もしかしたら、物足りない人もいるかもしれません。

それでこそ、彼らが奏で続けてきているアートな音楽です。ただただ、人気に傾倒していくのでは無く、自らの力で切り開いていく。

この姿勢こそ、今の音楽シーンに足りていないものです。ニューアルバムを皮切りに活動を盛んにしていくことは間違えないでしょう。新しい夜明けの幕開けですね。

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