今、キテる国ってどこだと思う?
こんな事を聞かれた時、インドかな…なんて答える人は少なくないかもしれません。
コンピューターの分野といい、新しい企業企画といい、今最もインドがアツい国であると言っても過言では無いのです。
さて、そんなインドびいきなコメントをしても仕方ないのですが、これには訳があるんです。
ついに、インドはアートの世界でも面白い事になってきているのです。
そもそも、インドアートは昔から注目されており、世界でも有数のアート大国と言えます。
しかし、それはインドの伝統的なアートを外部の人達が取り入れるというスタイルでもあったと思うんです。
しかし、グラフィックや彫刻、テレビなどのマスメディアを通じたグローバルなコンテンポラリーアートは、まだまだ弱い状態でもありました。
しかし、近年注目されているポップで刺激的なアートデュオが注目を浴びているのです!
それが、トゥクラール&タグラです。
デリー美術大学出身である、ジテーン・トゥクラールとスミール・タグラによるユニットで、2005年よりこの名義で活動をしているようです。
基本的には、広告であったりプロダクトデザインを手掛けることが多いなか、アバンギャルドで先鋭的なデザインの作品を発表しつづけているのです。
さて、このアートデュオの興味深い部分は、ポップで親しみやすいでデザインでありながらも、どこか皮肉と問題定義が含まれる作品作りにあるところでしょう。
HIVの問題をあつかったオリジナルデザインのコンドームや、下着、サンダルなども話題となったり、今インドで起きている問題を自らが客観的に見た内情をモチーフしたり。
とにかく、インドらしいパンク精神が宿っているのです。
ちなみに、日本でも名は既に知られており、2009年に六本木の森美術館で起こった展覧会では、インドの若者たちのポートレートを貼る、チョコシロップのパッケージを一同に並べた大作で話題を呼びました。
それからも、活動を続けていたのですが、ここでまた、世界的な脚光を浴びる機会が訪れたんです。
それは、あの有名なハイブランドのエトロ。
このエトロの2014年カプセルコレクションで彼らがコラボレーションを果たしたのです。
エトロと言えば、あのペイズリー柄が有名なのですが、そもそも発祥であるインドのペイズリーに敬意を表し、今回のコラボレーションが実現したのだそうです。
もちろん、そのデザインは秀逸。
エトロのバッグに彼らの斬新でポップなアイデアが詰め込まれ、恐らくシリーズ最高の出来になっているのではないでしょうか。
もちろん中には、シニカルな要素も詰まっており、長く愛すことができそうなアイテムとなっているのです。
トゥクラール&タグラの2人が生み出す世界を見ていると、インドのことが違った角度で見えてくるかもしれませんね。