現代美術に代表される“よく分からない作品”。
アートフェスティバルや現代美術館などでインスタレーションされていることの多いアレです。
アートの根本というは、ハッキリとは分かりませんが、現代美術はこちらを試します。
恐らく理解できないのでは無く、作家がこの作品のモチーフにしている根底を知らなくてはいけないのでしょう。
例えば、2012年に行われたフェスティバル/トーキョーのジャン・ミシェル・ブリュイエールの「たった一人の中庭」。
巣鴨にある校舎の中をアート空間にし、そこから多くの問題定義を生み出した、斬新なインスタレーションでした。
しかし、この作品というのが、案外不気味であり、気持ちよいものでは無い題材であったことがポイントでした。
全体的に感じる不穏な空気感に、Bathers room[入浴する人々の部屋]」「Egging On Room[教唆する部屋]」などの各部屋に設けられる暗澹としたキーテーマが、何とも消化不良な側面を持ち合わせます。
音楽も洪水の音や様々な効果音のみ。
そんな現代美術としてのインスタレーションは、ただ見るだけだと不気味なだけですが、この作品にもしっかりとしたテーマがありました。
アーティストの国で起きている情勢への不安や、様々なアンチテーゼが含まれている分、そちらの根底を知らないと変なインスタレーションで終わってしまうのです。
アートが好きなのであれば、一生懸命理解しようとするかもしれません。
しかし、残念ながらどんなアート通の人でも理解できないものは、出来ないのです。
第三者である我々は傍観者としてしか対応することはできず、感じることが難しい事だってあるんですよね。
まぁ、現代アートというのは難しいというか、その想いをどこまで受け取り理解できるかです。
ビジュアルとしての素晴らしさもポイントですが、何か変で気持ち悪ければ良い訳ではありません。
そこで起きている何かに意味はあるのか、根底な何なのか。
何だか、アートは楽しいんですが、やっぱりちょっと面倒ですね。
気軽な気持ちで見ても問題は無いでしょうが、理解したくなるのが、また現代アートなのかもしれません。