「クローゼット×マットレスの齎す、記憶の領域が秀逸!」

身近なものに真実が隠されている。

そう思わせるインスタレーションが数多くありますが“そう来たか…”思わせてくれた、ユニークな展示会がありました。

終了してしまっているのですが、それが「クローゼットとマットレス」 スミルハン・ラディック+マルセラ・コレア展です。

銀座のエルメスフォーラムで開催されていたのですが、このインスタレーションの主役は勿論、クローゼット。

恐らく、日常を通常通り生きている方であれば、クローゼットを使っていないという方は存在しないでしょう。

持ち物に始まり、もう使わないゴミ同然のものを押し込んだり、はたまた見られたくないものを入れておいたり…。

そういった目線で見てみると、クローゼットが持つアート的意味合いには、深い何かが宿っているようにも感じますよね。

 

今展覧会なのですが、クローゼットとマットレスという、二つの家財道具を使った異質のインスタレーションを表現していました。

コンセプトとしては、記憶の持つ領域を象徴的に表現すること。

クローゼット自体は、先程述べたような働きや機能がありますが、マットレスというのは基本的には人間が就寝する為に使われるので、受け止める。

受動の意味合いを持ちます。

さらに、眠りと共に夢という異次元へ誘ってくれる訳ですから、その心地よい空間をより演出する存在でもあるのです。

 

巨大化させたクローゼットに、マットレスの彫刻をを配置し、謎に包まれる異質とも取れる空間を作りだし、日常の奥に潜んでいる「記憶」を呼び覚ますユニークなアプローチがなされていました。

全ての記憶を呼び起こさせる、ということは、クローゼットとマットレスには、我々が隠し通したい記憶も入っていると解釈できます。

そう考えてしまうと、楽しいだけでは無く、どこか悲しく恥ずかし気分にもなります。

クローゼットが巨大化していけばしていくほど、消したい記憶を詰め込んでいるような、そんな気分にもさせられます。

さて、そんな会場には、脆弱な建築を取り続けた「Fragile Construction」を、写真で紹介していました。

どこにも着地していない、独特な記憶をを建築という視点から取り溜める作品で、こちらもまた、個人個人が自らの記憶と作品の持つ見えない記憶と共鳴することができる、素晴らしい展示でした。

サンディアゴ出身の2人が魅せる、斬新なインスタレーションは、国を超えて“記憶”というテーマで繋がって行くものであると、革新できた展示会でした。

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