アンデスの大地に刻まれるアース・アート 4

宇宙人の到来を待ち望むかのような人型の地上絵

~ ペルー ナスカの地上絵 フクロウ人間 ~

南アメリカ大陸、ペルーのナスカの大平原に描かれた地上絵は、いつ、誰が、何の目的で描いたものかは謎に包まれたままだ。

数多くの研究者たちが、ナスカに訪れ調査を行ってはいるものの、全ての人を納得させる確証を見出すにはいたっていない。

豊穣儀礼説、天文歴説、宇宙人説をはじめとして様々な推論が飛び交っているのが現状だ。

数ある推測の中で宇宙人説は、科学的な根拠が乏しいと考えずにはおれないが、夢に満ち溢れ最も大きなインパクトを与える推論ではないだろうか。

 

1968年にスイス人実業家のエーリッヒ・フォン・デニケンは、『神々の帰還』という著書の中で、ナスカ・ラインは宇宙人のUFOの飛行場であると記している。

 

宇宙人はナスカの平原に滑走路を作り、ここに降り立って地球の人々に宇宙の文明を伝えた。

ナスカの人々は、地球の大地に宇宙人が作ったラインを周囲にいくつも複製し、宇宙人の到来を待ったというのだ。

 

その後、フランス人冒険家のロベール・シャルーは彼の推論を支持し、ナスカの人々は文明の創始者である宇宙人と接触をもち、彼らからの教えを残した記録こそが地上絵であると考えた。

 

地球の人類史上において宇宙人と交流をもっていた時代があると考えると、ロマンが広がるものだ。

 

この推論の真偽はともかくとして、ナスカの人々が実際に宇宙人と交流していたと考えさせられるような地上絵が描かれている。

それも大平原のほぼ中央に位置するところだ。

右手を大きく上げた人型の図形は、宇宙人を想像させる。

紹介者によっては、この地上絵を宇宙人、宇宙飛行士とすることもあるが、一般的にはフクロウ人間として紹介されることが多い。

でも、突然フクロウ人間と言われて、そのモデルを正確に頭に思い浮かべることができる人などいないだろう。

ところが、フクロウ人間という表現に納得してしまうのは不思議だ。

全体は人間の形をしながら、目がフクロウのように大きいことから命名されたに違いない。

他のナスカの地上絵は大平原の平面に描かれているのに対して、フクロウ人間の姿は小高い丘の斜面に描かれている。

宇宙人を待ちきれずに丘の上に登っているのだろうか。

大きく上げた右手は空に向かって手招きしているようだ。

 

ナスカの北方に位置するパルパの平原には数多くの人型の地上絵が描かれているのだが、ナスカは動植物が多く、人型の図形は比較的珍しい。

 

ギョロリとした目つきに長い胴体と両足は異様に感じられる。

胴体には現代日本人に人気のクビレなどはなく、輪郭は直線で描かれるばかりか、つま先からかかとまでがやたらと大きい。

八頭身の例をあげるまでもなく、スタイルはあまりよろしくない。

ナスカの地上絵を描いた頃の人間の体つきなのだろうか。

それとも、当時の人々の理想の体型なのだろうか。

いずれの想像も無理があるだろう。恐らくは自らの体をナスカの人々の感性でデフォルメしたものに違いない。

デフォルメされた人間の姿は、人懐っこくてユーモラスだ。

現在の雑誌やテレビには、様々なマンガのキャラクターが登場する。

フクロウ人間の地上絵には、ガチャピを思い出させる部分がある。

山肌に描かれているため、地上からでも何が描かれているかが判断できる。

ナスカの子ども達を喜ばせるために描いたと想像することもできるだろうか。

それとも、ナスカの人々の宇宙への憧れを表現したのだろうか。

どのような仮想をめぐらせても、謎が解決できるものではない。

地上絵を眺めながらロマンチックな夢想を楽しむことにとめおくことがよさそうだ。

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