「アートに回帰した春夏コレクションから見えてきた事」

ファッションの世界はめまぐるしい早さで日々進化しており、春夏ものが店頭に並ぶ頃には、既にラウンウェイでは秋冬コレクションが終わっているという有様。

トレンドや注目ブランド、さらにはデザイナーの交代劇などのニュースと平行して秋冬コレクションの内容を吟味しなければいけない訳なので、結果的に凄まじい情報処理能力が求められる訳です。

さて、そんなファッション界の中で今大ブームになっているのが、自然回帰的なデザインです。

今季の春夏コレクションでも大量に出てきた事は分かると思いますが、とにかくフラワーモチーフが多い事に気がつくはずです。

さらに、そういった花だけでなく、トロピカルモチーフといった、草やジャングルを彷彿とさせるような、そんなイメージのルックスが増えました。

確かに、ちょっと近代化しすぎているこの世界に、自然の強さや美しさを今一度再確認していこう…と、いう流れは理解ができます。

しかし、それと同時に多くのメゾンが発表し続けたのが、アートモチーフ。

 

今季の春夏コレクションほど、このアートがトレンドとなっているシーズンは無いのではないでしょうか?

既に幕を閉じた秋冬コレクションでは、アートの破片は転がっていながらも、そういったものはデザインの方向性へ行き、プリントや刺繍といったテクスチャーでのアートをアピールするということではありませんでした。

それに比べ、とにかくそのまま絵画をドレスに貼付けてしまったような、そんな雰囲気のスタイルが主流になったのですから驚きです。

モンドリアンドレスを以前発表したイブ・サンローランは、当時は衝撃を与えたようですが、今年はその上を行くような、大胆なデザインがとにかく多かった…と、いうことが気になります。

もしかしたら、現代の不況に喘ぐ世界に対する今一度のアートという枠の再起を想像させようとしているのでは…と、思ってしまうほどです。

ファッションは何かと浮世離れしているイメージもあるのですが、どこから世界情勢と繋がっている部分があります。

幾何学的なモチーフも、コンセプチュアルアートのような、どこか都会的であり、アートが大きな役割を担っています。

もちろん、現実から背を向けてはいけないのですが、近年のアートへの放置ぶりは確かに危険です。

不況不況と言っていると、まず始めに文化が失われていきます。

音楽が売れなくなったのも、そういった背景があるのかもしれません。

しかし、音楽はともかくファッションはどうしても廃れる…と、いうことが無く、どうにかオシャレをしたいという人が多いのが特徴です。

だから、安価なユニクロやH&M、アバクロなどの業界が業績を上げているのでしょう。

まぁ、そういった背景にもちょっと端を発してるのかもしれません。

今一度アートをフューチャーして、美的な感覚を取り戻そう尾という警告なのかもしれません。

一攫千金を狙ってしまう若者に、逆に夢を持たずに収入が低くても問題が無い…と、力弱く細々と暮らす若者。

何となく、元気が無い世界情勢は誰が見ても分かります。

ファッションなどは縁が無い…と、無視する方もいるでしょうが、今一度こういったコレクションを確認してみてはいかがでしょうか。

そこから、ビジネスとしての服作りでは無い、その先に見えるコンセプトとメッセージを感じとることができるからもしれません。

是非、興味を持って見てください。

損にはなりませんから笑

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る