音楽業界に元気が無い…
と、いうのはもう誰でも分かっている話かもしれませんが、その影響を受けているのは、案外レコード会社やCDショップだけでは無さそうです。
音楽は儲からない、というイメージが強くなることで、当然ですがミュージシャンを目指す人が現象する訳です。
そうなると、以前のようにバンドをして世界中を周りたい!と、いうロックな発想を持つ良い意味での馬鹿野郎が少なくなっているのです。
資格を取ることに必至であったり、または企業立ち上げや、アフェリエイト、FXでの不労所得を狙う、現金な感覚が今の日本に蔓延し始めているのです。
クリエイトな文化が死んで行くことは、その国全体の文化が無くなって行くことであり、とても危険な状態になっている…と、思わざるえません。
さて、そんな愚痴はさておき、その不況で縮こまった状況の影響を強く受けているのが楽器業界なのです。
当たり前ですが、演奏者が減ることで楽器が売れることはありません。
街の楽器屋さんはもちろんのこと、チェーンの有名楽器ショップなども、昔のような活気は無くなりました。
とある楽器屋は幅を縮小し、小金を持った大人を対象としたブランド楽器の販売に力を入れ始めました。
良いものを使いたい、夢だった、こういった欲のある人達をターゲットに商売をすることで、どうにか命をつなぎ止めている…と、いった感じでしょうか。
何だか暗くなってしまうような寂しい話でもあるのですが、とにかくもう楽器業界もダメになってしまうのか…と、何も知らなければ思ってしまう状況となってしまっているのです。
さて、そんな客観的な風景を見ていると落胆してしまうこの状況なのですが、一部ではちょっとした楽器ブームが起こっていることをご存知だったでしょうか?
今、タブレット端末で気軽に音楽製作ができるようになった事で、シンセサイザーに熱い注目が集まっているようです。
手軽にヴィンテージシンセのあのサウンドをアプリで鳴らせる訳ですから、案外人気が出るのもうなづけます。
そして、日常的にもあのシンセ音を取入れて楽しみたい!と、思っている人々のためなのか、自作できるシンセサイザーを有名メーカーKORGが発売させたのです。
アナログシンセの名機「MS-20」を再現することができ、更には組み合わせ次第で自分だけの音が鳴らせるということで、ちょっとした話題になりました。
さらに、もっと小さいタイプの自作できるシンセサイザーなども発売されており、これはシンセブームが到来し始めていると、かなり期待できます。
また、ロンドンでは今、どんなものでもシンセサイザーにしてしまうことができるDIYシンセサイザーボード “Ototo”という企画が一部で盛り上がっているようです。
Yuri Suzukiさんと、Mark McKeague氏による“DENTAKU“というアーティストが開発したもので、どんなものに繋いでも音を出すことができる…と、いう摩訶不思議なものになっているのです。
音を構成する本体からはインプットとアウトプットラインがあり、インプットの先にを何に差し込んでも、音がそれなりに出る、という仕掛けだそうです。
ちゃんとパソコンにも繋ぐことが可能で、MIDIコントローラーとしても利用可能。
自作の曲にだってその音源を取り込めてしまうのです。
何だか、何を考えているのやら…と、思われそうですが、日常にこういった驚きを起こす企画は面白いですよね。
もしかしたら、楽器が日常的に何か新しい役割を将来的に担うキッカケとなるデザインかもしれません。
ちなみに、この“Ototo”を利用したデモがちゃんと聞く事ができる動画もありました。
(http://vimeo.com/85903928)世の中には、発想の転換だけで見える世界が180度変化する可能性があることが、よくわかるデザインです。
是非、使うも使わないも自由ですが、このアイデアだけには拍手を送ってあげましょう!