ミラノコレクションが面白い!と、いうことでファッション専門誌のWWDが特集をしていた新聞を読みました。
先鋭的なニューフェイスの躍進から、老舗ブランドの安定しながらも攻める姿勢が映し出されており、今のミラノが取り敢えず勢いがある…と、いうことが分かりました。
取り敢えず、まぁ普通の感想なのですが、気になる部分が最初のページにある編集長、三浦氏のコラム。
東京ファッションウィークが丁度行われる、行われた?頃に書かれた記事だったのでしょうが、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパンの企画した、若手デザイナーを育成するコンテストについて書かれていました。
このコンクールは世界中の若手デザイナーを募集し、結果的にグランプリを獲得したデザイナーに賞金30万ユーロ(日本円で4千万円!?)を、プレゼント&1年にわたる技術&経営サポートが与えられるとのことです。
もう、数百万円の賞金などというみみっちさでは無く、宝くじを当ててしまったような衝撃を与えるコンテストです。
しかし、以前も何度か書いたかもしれませんが、海外のトップブランドを牽引するグループは、とにかく新しい才能を育てる事に必至です。
常にあぐらをかいていられない厳しいファッション業界において、先鋭的であり安定感のあるファッション業界を変化させる新人の出現は、喉から手が出るほどに期待している訳ですね。
まぁ、そういったコンテストが凄いとか、ダメだとか、そういった事をこの記事は言っているのでは無く、日本人デザイナーの未来を危惧してる…と、いう内容だったのです。
その理由には、このコンテストの最終選考に残っているデザイナーには、一人も日本人がいなかったということだからです。
まぁ、厳しい世界ですし、日本人が入らなかったのは仕方ないかもしれませんが、一応世界のトップレベルで活躍してる日本人デザイナーは多いだけに、別に日本人だからダメ…という訳でも無さそうです。
つまるところ、近年の若手デザイナーの実力がいかがなものなのか…と、いう懸念があるということだったのです。
その理由には、東京コレクションの目に余るレベルの低さも指摘しています。
まず、何となくヨーロッパのトップブランドを真似たコレクションをしてみたかったという人、さらには自分の好きな世界だけを表現したかった自己陶酔型、完全にマーケティングとなってしまっているマスコレクションなど…とにかく、何となくファッションショーという、イマイチ感がこの結果に繋がっているのかもしれません。
確かに、国内のブランドが悪いとか悪くないとか以前に、何かファッションをビジネスとするためのバランスがずれているような気もします。
特に、一番気になるのはデザイナー自信の役割と立ち位置。
海外のデザイナーと日本のデザイナーでは、自らが身に着けるものへのイメージが違うような気がするんですよね。
どうしても、日本人のファッション業界の人は、オシャレ感がある立ち位置にいることを自慢したい印象になってしまっています。
こうみられたい…と、いう事はとても大切ですが、無理感が大きいのです。
結局、頭でっかちになり中身が無い。
モノマネとその場凌ぎで、オリジナリティが無いということなのかもしれません。
被っていないものを探しすぎているデザイナーもいますが、オリジナルと奇抜は紙一重ですし、後者ではどうしても理解されません。
とはいえ、センスが良い日本人だけに、何かセンセーショナルな人物が出てくるような気もしなくもありません…。
これからファッション業界がどうなっていくのか、ハッキリとは分かりませんが、素晴らしい日本人デザイナーの登場を期待するしかありませんね。