ガラパゴスのアニマル・アート/ネイチャー・アート 17

限られたエリアを繁殖地とし、世代を超えて守り続ける故郷

~ ガラパゴス ノース・セイモア島 ガラパゴス・アホウドリ 1 ~

毎日の報道では、政治、経済、事故、事件の話題が中心となる。

政治や経済に関するニュースは日常の生活に直結する必要不可欠な情報だ。

事件や事故に関するニュースは直接個人の生活に影響を及ぼすことはまれだが、思わず目を覆いたくなるシーンを目にすることも多い。

その合間に自然に関する話題も提供され季節の花々や生物に関する映像に、ほっとすることもしばしばある。

2014年5月7日のNHKのニュース番組で、日頃意識することのない生物に関する映像が映し出された。

ディスプレイに映し出されたのは、小笠原諸島の無人島、媒島の「アホウドリ」のヒナ鳥だ。

「アホウドリ」は羽毛の材料として乱獲され、小笠原諸島においては1930年代には絶滅したとされている。

現在、地球上に生息している「アホウドリ」600羽余りと言われているが、その内の大半は、何と日本で暮らしていると言う。

伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島が、「アホウドリ」の貴重な繁殖地となっているようだ。

 

世界的には「アホウドリ」には14種類の仲間が生息し、「ワタリ・アホウドリ」や「クロアシ・アホウドリ」などに分類されている。

媒島には「クロアシ・アホウドリ」が生息しており、その中に一際大きなヒナ鳥がいることが観察された。

これが既に絶滅した「アホウドリ」ではないかという期待をもってテレビのディスプレイに映し出されたわけだ。

 

日本から太平洋を隔て遥か遠くのガラパゴス諸島には、「ガラパゴス・アホウドリ」が生息している。

熱帯地方で生活をする唯一の「アホウドリ」類だ。

全長約90センチ、体重は3キロから5キロで、翼を広げれば240センチ近くになる諸島内では最も大きな鳥だ。

「ガラパゴス・アホウドリ」は、諸島の中でも最も南に位置するエスパニョラ島でのみ繁殖する。

この島の中でも、特に南側の海岸線に営巣地が集中しているようだ。

抱卵から育雛までの期間中は、特定の限られたエリアで生活をするが子育てが終わるやいなや、大きな羽根をはばたかせて海原へと飛び立つ。

そのせいか、営巣地ではないノース・セイモア島の沿岸部で幸運にも、「ガラパゴス・アホウドリ」の姿を見ることができた。

「ガラパゴス・アホウドリ」は、例年1月から3月の時期はガラパゴス諸島を離れ、南アメリカ大陸のペルーやエクアドルの西海岸にまでに出かけるのだ。

ノース・セイモア島で出会った「ガラパゴス・アホウドリ」は、遠い旅に出る前の準備をしているところなのだろうか。

1000キロを超える遥か彼方への異郷の地への旅路ではあるが、眼下の太平洋はフンボルト海流が流れる湧昇流域であり、世界でも屈指の漁場だから食糧については何も心配することはないわけだ。

海外線の草の茂みで羽根を休める姿で最も目を引くのは、頭部から頸部にかけての黄色味帯びたラインだ。

頭部の緩やかな曲線と柔らかなトーンの色彩が温和な印象を与える。

黄色の中に丸くて大きい黒い目を備え、チャーミングでとても愛らしい。

頭部からは薄い黄色くて長いクチバシが伸びている。

鍵のようにカーブしたクチバシの先を巧みに利用して、獲物を捉えるのだろう。

広げれば体長の2倍を超える翼は、全体的には褐色を帯びているが注意深く観察すると、細やかな縞模様が見られる。

これとは対照的に、胸部から下翼は白色の羽毛で覆われる。

個性的な色彩を備えながら、全体的な体型にはふくよかさが漂う。

草木の中で羽根を休めながら、これからの長い旅路に備えているかのようだ。

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