アメリカ、ニューヨーク市。
アメリカンドリームを叶えるための街、エンターテイメントの街、ファッションの街、アートの街…。
とにかく、何ともスタイリッシュで夢のある場所というイメージが我々日本人には強い街です。
しかし、実際には災害が多い側面も持つ危険な街でもあります。
ハリケーン「サンディ」によって、ニューヨーク市とニュージャージー州の海岸線が破壊。
浸水に停電などを引き起こし、大惨事となってしまったのです。
結果的に、多くの市民がニューヨークヤバいんじゃないか…と、日々不安を募らせるようになってしまい、夢の街が悪魔の街へと変化していく兆候も見られるようになったそうです。
そのため、こんな参事を起こさぬよう米国住宅都市開発省が、新たな都市計画を行うために、「Rebuild by Design」というコンペを開催しました。
建築家や都市計画家から多くのアイデアを集め、優秀者にこの街の未来の都市づくりを任せる!と、いう一大プロジェクトとなったのです。
さて、6つの入賞プロジェクトが発表された中のひとつに、ビャルケ・インゲルス・グループという若い建築家のアイデアが高い関心を集めています。
それが、「Big U」というプロジェクト。
3億3,500万を獲得し、これから未来都市を現実に創っていくこととなったようなのですが、この「Big U」とは一体どんなプロジェクトなのでしょうか。
まず、BIG UのUは、マンハッタンの海岸線から、57丁目の西端から南下。
そこから北上して42丁目の東端までの巨大な「U」の字型の地帯の事だそうです。
実際、ここが停電した地域で、周辺役13キロメートルになるとのこと。
そこに堤防を作るという構想なのですが、これがまたデザイン性と機能性に優れたクリエイティブな内容となっています。
セントラルパークに似た立体的な景観に似たように、ただ通るだけでなく、様々な景色も楽しめるように、全く新しいものにしようという試みが面白いですね。
どうも、様々な商業施設やスポーツ施設に行く為には、歩道橋でフランクリン・D・ルーズベルトドライヴを必ず渡る必要があるそうで、上手にここを使っていくとの構想が立てられています。
フランクリン・D・ルーズベルトドライヴの下は、チャイナタウンまで店が入れるパヴィリオンとなり、建物には嵐の時に使うことができる、防潮壁として使うことができる一連の巨大な引き戸が隠されるのだとか。
結局、ニューヨーク市の1.6kmの公園の「ハイライン」。
公園と商店街の二つの機能を持つことから、元々高架貨物線として使われながらも、空中緑道となったハイラインと近くなるのだそうですね。
街を守るためだけでなく、市民と共存していくという、新たな発想が受け入れられたという事になりそうです。
どうも、こういった堤防系の都市計画の場合、堤防、壁、防潮門ばかりが建てられ窮屈になりがちです。
そこを、開放感ある空間とすることで、街自体がデザイン性の高い機能都市と変革していきます。
今回の「Big U」プロジェクトの資料というか、画像をチェックしてみると、確かに緑、都市、安全、市民の憩いを感じさせる内容となっています。
窮屈さも無さそうですね。
朝、昼、そして夜もそれぞれの役割がしっかりと守られており、住んでみたい!と、思わせるつくりです。
800万人が毎年のように住処を変化させると言われているニューヨークも、華やかな側面ばかりではありません。
生活があるからこそ、そこに文化が生まれ、絆が生まれるのです。
まずは、ニューヨークの土台となる安全性を確立し、より刺激的な文化を発信しつづけてほしいと思います!