今、日本でも高い注目集めているミュージシャンのひとり「テイラー・マクファーリン」。
5月に新木場で行われた「Brainfeeder 4」に出演し、素晴らしいステージを魅せてくれた事でも注目されましたが、とにかくただ音楽が素晴らしいのでは無く、音へのアプローチや音自体を楽しもうという姿勢などが話題となっているのです。
恐らく、毎年のように様々なアーティストが来日し、話題となり、そして消えて行くとは思うのですが、テイラー・マクファーリンはこれからも大きな功績を残し、生き残って行く大物アーティストになる予感がしてなりません。
ブルックリンを拠点としてプロデューサー、DJ、そしてピアニストとして活躍しているテイラー・マクファーリン 。
R&Bとジャズ、ヒップホップとエレクトロニカと、ジャンルを超えたアプローチで曲を演奏するスタイルは、ありそうで無かったという、独特な世界観を完成させています。
この異才の持ち主だけに、ただ者では無いな…と、思っていたら、なんとジャズ界の大御所ヴォーカリスト、ボビー・マクファーリンが父親だそうで、とんでもない音楽サラブレッドだったんです。
デビュー前からもホセ・ジェイムズやロバート・グラスパーといった、斬新な音楽作りで話題を呼ぶ天才アーティスト達と共演をしており、その才能を世に知らしめてきていたのです。
高校生1年生の頃より音楽を作りはじめ、結果的にさまざまな活動を経てニューヨークへ。
ここで音楽を本格的にやりたい!と、思いバンドを結成。
結果的に、そのバンドが解散をしてソロとなり、話題のファーストEPとなった“ブロークン・ヴァイブス”を発表するに至ったそうです。
ここまでの経歴であれば、これと言って特別な事も無いですし、何か父親の七光りでここまで来ている、という事でもなさそうです。
むしろ、バークリー音楽大学に入ろうと思った時に、父親が講師として入ってくれれば無条件で入学をさせてあげるという、そういった甘い誘いも断ったようです。
まぁ、自らの力で好きな音楽を追求したい!という、音楽への強い思いが見て取れますよね。
さらに、エレクトロニカの要素の強い楽曲が多いのですが、クラブにもそこまで関心が無いようです。
一応、様々なクラブなどに出掛けたり、そういった友人たちと深く関わっていたものの、結果的にバンドとして活動していた事でそういった側面は齧った程度なんだとか。
不思議ですが、まぁそれがまさしく新しいような気がします。
普通、どっぷり何かのジャンルにマニアのようにハマっているミュージシャンが多い中、この距離感が逆に魅力を感じさせます。
そして、あのフライングロータスが主宰をしている「Brainfeeder」からリリースをし、話題となるのですが、それも結構適当。
何となく知り合いになり、フェイスブックを通じてロータスに“プレイス・イン・マイ・ハート”と“ダーン・フォー(Done For)”“アウェイク・トゥ・ユー”の3曲を送り、じゃ、うちから出さない?という流れ。
返答は、グレイト!それだけで、世界で注目されるアーティストとなってしまうのですから恐ろしい話です。
楽曲や経歴なども魅力たっぷりなのですが、どうもユニークな活動もデビュー前から行っているようです。
それが、ニューヨークの盲学校で子どもたちに音楽を教えるワークショップを開いている事です。
しかも、定期的に。
ビートを作り、そこに歌詞やメロディーなどをつけていく、というような方法で毎回楽しんでおり、自分自身も刺激を貰っているようです。
子供達の欲求に合わせ、どんどん新たなものを生み出していく、そういった自由な精神こそが、テイラー・マクファーリンのサウンドを形成していっているのでしょうね。
音楽を知っているからこそ、音楽を崩し、可能性をどこまでも追い続けて行く。
この、スタンスこそが、未来の音楽シーンを作り上げるのです。
今後も、確実に活躍間違い無しのテイラー・マクファーリンから、目が離せませんね!