WIREDという雑誌は、日本で発行されている雑誌の中では、取り分けレベルが高い雑誌という事を個人的には思っています。
まぁ、人それぞれ意見はあるので、別に押し付けることはしませんが、実は、ちょっとだけ面白い取組みをしていたので、紹介しようと思っています。
それが、どうもWIREDが監修した初の音楽プロダクトアルバムが発売している、という事なのです。
雑誌が音楽アルバムを出すことに関しては、これといって珍しい事でも無いのですが、気になるのが音楽プロダクト。
一体何がどう違ってくるのか、これをちょっと探りたいと思います。
今回、コラボレーションを果たしたのがBEAT RECORDS。
中に詰め込まれている楽曲は、まさにジャンルレスというか、まぁエレクトロニカを中心に、現代的で実験的なサウンドが集まっている、という事です。
そこは、まぁ予想を裏切らない選曲なのではないでしょうか。
とはいえ、ジャンルにこだわることは無く、とにかくコンテキストを越えていった、音楽の新たな未来というか、聞き方を提言してくれているので、近頃の音楽に飽き飽きしてきた…という、そんな人にはとても刺激的な1枚になるかもしれませんね。
The Art of Listening Vol.1と名付けられたこのアルバム。
マストバイなのは言うまでも無いのですが、取り敢えずどういったものなのか、もうちょっと説明させてください。
Oneohtrix Point Neverの初のCD化音源が収録されている、ということで、コチラも大注目でしょう。
Laurel Halo, Oneohtrix Point Never, Nico Muhly, Claude Speeedと、まぁパッと聞いただけでは、分からない人ばかりですが、一度聞いたら、そのレベルの高さに度肝を抜かされる、そんな人選です。
とにかく、このアルバム自体、あの天才というか音の芸術家?Oneohtrix Point Neverの彫刻のように音楽もそこに自律する、という発言がキッカケとなっているそうです。
新たな世界観をダブの世界に切り開いた、そんなOneohtrix Point Neverが発するもの音と世界観。
これこそが、とにかくこのアルバムの根幹を担っているという事ですね。
となると、やはり選曲自体、彫刻としての音楽となっているのか否か。
ここも、リスナーの聴力に委ねられる部分です。
全体的に、かなり難しい音楽ではあるような、そんな気がします。
様々な音楽を知り尽くし、そして聞き飽きた…というのは、あれですが、現代美術としての現代音楽。
こういったスタンスで聞くと、とても馴染みやすい音楽群ではあります。
とにかく、普通のコンピレーションアルバムとしてではなく、ひとつの作品として、しっかりと聞き込んでもらうと、久々にアートって良いなぁと、感じれるはずです。
この、CDが全く売れないという世の中で、配信という手法では無く、CD自体をアートにして発売させるというアプローチは、本当に素晴らしいとは思いませんか?
日本だけでは、どうもCDは売れているようですが、その背景も手伝って、少しはセールスも上がれば嬉しいですね。
って、販売側で無いのでそういった事を心配する必要は無いのですが…。
是非、この「The Art of Listening Vol.1」。
手に取って、耳から目から、そして体から何かを感じ取ってみてはいかがでしょうか。