event report : 7人の音楽評論家の肖像展

2011年2月19日〜28日の間、サイデラ・パラディソで開催された「7人の音楽評論家の肖像展」
印象強い色彩が目に焼き付く独特のタッチでポップでもありシュールでもある作品を発表し続けるクラーク志織
に話を聞いた。

個展詳細:
【音楽を言葉にする人々を絵にしました。】

新進気鋭の画家クラーク志織が、
第一線で活躍する7人の音楽評論家に会いに行き、肖像画を描いた。
「7人の音楽評論家の肖像展 / クラーク志織」
登場する7人の音楽評論家(50音順、敬称略):
青木和富・今井智子・小沼純一・佐藤英輔・高橋健太郎・松山晋也・増渕 英紀

各々「音楽評論とは何か 」の一言が添えられます。

期間: 2月19日(土)~ 28日(月)

協力: 有限会社 サイデラ・パラディソ

会場: Saidera Paradiso bldg. 1F東京都渋谷区神宮前3-33-2

map: http://www.saidera.co.jp/map.html

【カラフルでPOP、愉快なはずの世界なのに、どことなく滲み出る悲しみ。】

いつ頃から絵を書き始めましたか?

絵は物心ついたときから誰に言われるでもなく描いていました。

両親の仕事部屋にあったいらない書類の裏とかにひたすら人間を描き続けていた記憶があります。
小学校にあがってからは毎日漫画を描いていました。当然将来の夢は漫画家でした。
なんの根拠もないのに「私は世界で一番絵のうまい小学生なんだ。やばいぞ。」って思ってました(笑
とにかく何かをずっと作っていたくて、「親子丼新聞」って新聞を1人で作って、リビングに貼ったりもしてました。犬にインタビューとかしたりして。

でも中学生の時にうちの一家がNHKのドキュメンタリー番組に特集されて、その時番組の制作クルーが1ヶ月くらいかけて家族に取材したり撮影したりするところを見ていたら、ドキュメンタリー番組に興味が出てきて、大学は武蔵野美術大学の映像学科に進みました。
大学時代はインスタレーション、パフォーマンスなど色々な事をしたのですが、卒業制作が終わったと同時に突然また絵が描きたくなり、卒業してから現在に至るまでは絵だけを描いています。

今回の展示に至った経緯を教えて下さい

数年前に、ひょんな事から1年間程サイデラパラディソ(オノセイゲン氏のスタジオ兼事務所)に働いていた訳ではなかったのですが通っていた時期があって、それをきっかけにサイデラの皆様と仲良くなって。

私にとってその1年間は大人の階段を登った1年というか、東京にはこんなに面白い人々や場所があるんだ!って気づかせてもらえたとても重要な1年間で、なのでその気づきを与えてくれたサイデラは私にとって特別な場所なのです。

いつか何か一緒に面白い事ができたらなとずっと考えていて、去年の秋くらいに「今やるんだ!」って決意して、折角やるなら音楽に関係のある事をやりたいと思い、音楽評論家の肖像画を描く事にしました。
音楽を言葉にする人々を、私が絵にしたら面白いんじゃないかって。

実際に描いてみていかがでしたか?

実は肖像画を描くのが生まれて初めてだったんです。
小さい時から自分の絵の中に登場する人物に具体的なモデルはいなくて。
○○さんを描こうと思って描いた事がただの一度もなかったのです。

今回はまずは絶対的なモデルが現実の世界にいるところからのスタートだったので、自分がいつも創り出している世界観と上手くリンクさせるのにとても苦労しました。 

ただ単に「似てる」って事だけにこだわって描こうとすると、それはただの「絵」になってしまって、私が表現したい世界ではなくなってしまう。
なので、いかに現実世界と頭の中の世界を上手く融合させるか、丁度いい頃合いに自分のエキスを対象となる音楽評論家の方々にピャッ!とかけるかに苦労しました。エキスが多すぎると似ていない、少なすぎるとつまらない絵になってしまうという。

でもそうやって試行錯誤していった結果、世界との新しい関わり方を見つけられた気がします。そしてこれは人と人との関係性を形成して行くプロセスにも似てるのかなと感じたり。とにかくとても勉強になりました。


 

描かれる絵画は鮮やかな色彩が特徴ですがこだわりなどありますか?

私はわりと極端な性格らしく、今回展示したような色とりどりの絵とは対極の白黒の絵のシリーズも描いているのですが、白黒の作品を描く時期はひたすら白黒ばかり描いていて、「しばらく白黒はいいかな」ってなると色付きの絵を描き始めるので、反動でとてもカラフルにしちゃうのかもしれません。

白黒の作品を描いている時は、自分の思考回路を増幅させ形作っている気がします。
心の中の奥の方の薄暗い部分に籠って作業しているみたいな感じで、ある意味基礎作りの時期です。色のある作品を描いている時は、薄暗い世界からぴょんと飛び出して頭の中を色づけしていくみたいな感覚になり、とてもカラフルな気分になります。花畑の花が一気に咲いてそこで踊り出すような。

あと、面白い偶然だったのですが、今回肖像画を描くにあたってお会いした7人の音楽評論家の方のうち6人が、私と会った時に赤か緑か青を身にまとっていたのです。
1人だけ黒を着ていらっしゃいましたが、お会いして写真を撮らせていただいた時の壁の色が緑でした。
なので、今回の展示ではその3色を意識して使いました。

描かれた音楽評論家の皆様の反応はいかがでしたか?

みなさん笑っていました。
自分はこんな風に見えるんだ?と驚かれたり、誰が一番描きやすかった?
こういうイメージはどこから沸いたの?など色々と聞かれました。

  

展示中の反応はいかがでしたか?

沢山の方々に来ていただけました。
twitterなどを見て来ていただいた方もわりと多くいて驚きました。

音楽評論家の方々に「音楽評論とは何か」の一言をいただいて一緒に展示していたのですが、そのコメントも皆さん興味深そうに読まれていました。
音楽評論家の方々がご自分の事を語る事はなかなかないので、私もそのコメントには夢中になりました。
また、続編や別バージョンをやってほしいという嬉しい意見も沢山聞けたので、今色々と考えているところです!

会期を終えて感じたことはなんですか?

人を描く事はやはり楽しい。
また、今回モデルとなっていただいた7人の評論家の方々は殆どの方がお互いに面識があったらしく(または存在は知っていた)、オープニングパーティーなどで集まる機会ができて、みんな凄く楽しそうで、そうやって人と人が繋がる・集まるきっかけになるのも美術の一つの役割なんじゃないかと感じました。場を作るというか。

なのでこれからもどんどん面白い試み、現象をこの世界に作っていきたいと思います。  

  

これからのインフォメーションなどあれば。

3月25日~4月10日までリキッドルームの2Fカフェスペースに併設されているギャラリー、タイムアウトカフェ&ダイナーで「Repeat!」展という個展を開催します。
卓球台にペイントしたりします!
あと、3月30日からは松戸伊勢丹の美術画廊で陶芸家の父と一緒に2人展をします。
どちらも面白い展示にしますので、是非お越し下さい!

※追記:3/21
上記の個展は東日本大震災の影響に配慮し4月中旬開催となりました。
ご了承下さい。

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