【トウキョウアートナビ Vol.6】ヨコハマトリエンナーレ2011レポート(前編)

横浜の様々な会場で開催中のヨコハマトリエンナーレ

【トウキョウアートナビ Vol.6】は、現在開催中のヨコハマトリエンナーレのレポートをお送りします。ヨコハマトリエンナーレ2011のテーマは”OUR MAGIC HOUR世界はどこまで知ることができるか?”。横浜美術館をはじめ、BankART Studio NYK、黄金町バザールなど、沢山のアートを一気に見る事ができました。

実は、観賞前に見所を押さえておこうとネット検索したら「ヨコハマトリエンナーレ 2011 つまらない」と検索候補が出てきて不安だったのですが(笑)そんな心配は無用!ものすごく楽しい展示でした。本当に沢山の作品が展示されているのですが、ここでは松永が個人的に気になった作品をご紹介したいと思います。


オススメはこの特別連携セット券(1,800円)。このチケットで『横浜美術館』『BankART Studio NYK』に入る事ができ、また『新・港村』『黄金町バザール』の期間中有効パスポートとも引き換えが可能です。こっちの券の方が絶対お得。

まずは横浜市美術館会場から。会場に入るとまず目に飛び込んでくるのがイン・シウジェンの作品『ワン・センテンス』。一人分の衣服を細長く切り丸められたものが108つ並べられたインスタレーション作品。108という数は仏教では煩悩の数で、古着という個人の記憶の隠喩にもなっているそうです。”人間は似ているようで一人ずつちがう” そんなメッセージを感じました。

Tobias REHBERGERのインスタレーション作品「他者」。天井から吊るされた59個の涙型の手吹きガラスがとても奇麗でした。このランプ達はインターネットを介して、横浜のとある子供部屋の電灯スイッチとそれぞれ繋がっています。子供が電灯スイッチを入れると作品のランプは消え、子供が電灯スイッチを切ると、作品のランプは点灯するという仕組み。私が見たお昼頃には、1個のランプだけ消えていました。

こちらはヨコハマトリエンナーレのチラシにも大きく作品が掲載されている、ミルチャ・カントルの映像作品『幸せを追い求めて』。ホウキを持った女性達が、白い砂の上を裸足で列をなして歩いて、足跡をホウキで消しながら進んで、足跡を作って、また消して…とループしています。横浜市美術館での作品で個人的に一番良かったのはこの作品で、しばらくの間、色んな事を考えながら見入ってしまいました。”幸せ”って実はとても不確かなものなのかも知れません。そして幸せって、一歩一歩確かめながら少しずつ得て行くものなのかなと思いました。

こちらはマッシモ・バルトリーニのインスタレーション作品『オルガン』。天井まで高く組まれた鉄パイプのオルガン。その音はまるでパイプオルガンのようで美術館中をこだましていました。また同じ空間にはダミアン・ハーストの蝶のコラージュ作品が展示されていて、実は本物の蝶が苦手な私はほとんど見る事ができなかったのですが(笑)一見ステンドグラスにも似たこの作品と、マッシモ・バルトリーニのパイプオルガンがコラボレーションされたこの空間は、教会を連想させとても神秘的でした。

こちらは池田学の動物画シリーズの作品。”1日8時間描いても10センチ四方しか描けない”という池田学の作品はとても細かくて緻密。このシリーズは初めて見ましたが、『予兆』や『再生』など緻密でありながらもダイナミックな作品とはひと味違うこの動物画シリーズは、まるで剥製を見ているような錯覚に陥ります。それはもしかしたら池田学がアルバイトとしてやっていたという法廷画家ならではの観察眼の賜物なのかも知れません。

こちらは オノ・ヨーコの『TELEPHONE IN MAZE』。困難を表現したアクリル板と鏡で張り巡らされた迷路の中に白い電話が置かれています。なんとこの電話はオノ・ヨーコと会話のできる専用電話!運良く電話がかかって来た時しかオノ・ヨーコとは話せませんが、1日に何度もかかって来る日もあるとか。当初は電話だけの作品『TELEPHONE PIECE』として展示が予定されていましたが、東日本大震災発生後、『MAZE』という迷路の作品と組み合わせた新作となったそうです。苦難を乗り越え交わされるコミュニケーションの重要さを表現しているそうです。

横浜市美術館では他にも面白い作品が沢山ありました。荒木経惟の「チロ」の作品も展示されていたり、行列ができていた杉本博司のブースのマルセル・デュシャンへのオマージュ作品も面白かったです。後編では、BankART Studio NYK』『新・港村』会場のレポートをお届けする予定です!

ヨコハマトリエンナーレ2011
OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか?ー

会  期 2011年8月6日(土)~11月6日(日)
     [休場日:8月、9月の毎週木曜日、10月13日(木)、10月27日(木)] ※
開館時間 11:00~18:00 ※入場は17:30まで
会  場 横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、その他周辺地域
特別連携プログラム BankART Life Ⅲ(新港ピア)、黄金町バザール2011(黄金町エリア)
http://www.yokohamatriennale.jp/

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