Vol.10 : 9 Questions for 池谷友秀 @TomohideIkeya


(池谷友秀氏作品展「CYCLE」会場にてインタビュー)

震災から10ヶ月経ち、去年発表できなかったwaveシリーズをやっと世に送り出すことが出来ました。
こんなときだからこそ世に出したいという気持ちをずっと持ち続けていたので、その気持ちを絡めた感じで何か出来ないかと模索を続けていました。
今回の企画に声をかけてもらったのが去年の12月末頃だったため、時間に限りがあり出すことが叶わなかった作品も多くありましたが、
試行錯誤して考えぬいた末、やっと生み出せたのが今回のエキシビジョンです。

そう語るのは水をテーマに作品を撮り続け、国内外で高い評価を受けている池谷友秀さん。
本エキシビジョン「CYCLE」では、初展示作品含む「WAVE」「BREATH」「MOON」の3シリーズの作品を展示しています。
開催中:2012年2月6日(月)まで。GALLERY .Hutch(http://dot-hutch.com)にて、10:00~18:00 *火曜定休

池谷友秀 – TOMOHIDE IKEYA - twitter @TomohideIkeya
1974 Born in Kanagawa,Japan
1992-1999 Work as a chef in an Italian restaurant
2002 Start working as a freelance

http://tomohide-ikeya.com/

それでは、池谷さんに9つの質問をぶつけてみたいと思います!

1 アイデアを出すときにしていることはありますか?

アイデア出すときは空を見るとか、ニュースを見るとか、あ、そうだナショナルジオグラフィックスとか好きで良く見ますね。なんかそういうとこからインスピレーションを受けたりします。
あと舞台やダンスを観にいったりとか、まったく別ジャンルが多いかもしれないですね。ファッションや広告写真から直接的なインスピレーションを受けるということはほとんど無いです。

ナショナルジオグラフィックスを見るのがお好きということですが、どういったジャンルが特に?

ドキュメンタリーですね。戦争写真なども見るし、動物や風景・・なんでもですね!ホント何でも。わからないんですよね、どこから来るか(笑)

なるほど、実はアイデアの源泉って明確にはわからないとは、多くのクリエイターが口にしますよね。ただ、同じ情報をインプットしたとしてもそれぞれのクリエイターによってアウトプットが違うという所がモノづくりの面白いところなのでしょうね。

 

2 後輩世代に伝えたいこと

まず自分が良いと思うのが大事。自分が良いと思わないモノに他人が良いと思うはずが無いと思います。
クライアントに作品集を見せに行った際などに、いろいろな批評を受けますよね。Aさんにはこう言われました、Bさんにはこういわれました、Cさんには・・。
全てを取り入れても良いんだけど、自分の意見を持たずに他人の意見だけで構成しちゃうと、その作品は自分自身で好きになれないものになってしまいます。

例えるなら背骨が抜き取られたような感じでしょうか?

そうですね。まず自分が一番良いと思ったその上で、他人の意見で自分が良いと思えるところだけを取り入れればいいのであって、けして複数の意見を取り入れたからいいものになるわけではなく、結局何がしたいかわからないものになってしまいますよね。
まずは自分の感性というフィルターを通過させることが出来ていないと、その次には進めません。他人に流されすぎない。
仕事のプレゼンテーションに行ったときでも、意見が合わなければその仕事をしなきゃいいじゃん。自分が楽しくないんだったらしなきゃいいじゃんとよく言いますね。

確かに。これはクリエイターにも会社に勤めているヒトにも言えますね。じっくりと考えたうえで、嫌々やるようなことであればやらないほうが良い。その次に進むことの方が大切であるということですよね。

 

3 今後の展望をお聞かせ願えますか?

実は次の展示が決まっていて、ドイツのミュンヘンで行います。今回の展示をやってみて、それを自分の頭の中で再構築し、回を重ねるごとに良い展示にしていけたらと思っています。

それはおめでとうございます!次回も素晴らしいエキシビジョンになることをお祈りします。

 

4 予定が無い日や一人の時間の過ごし方

予定が丸1日無い日はほんとに少なくて、舞台観にいったり、ミュージカル観にいったり、映画観にいったりですね。めったに時間取れないのが悩みでもあるのですけど。

舞台や映画は前から狙っていたものを観にいくのですか?それとも時間が出来た際に探すとか?

狙ってるものが多いかもしれない。あとは美術館行ったりとか、そういう時間ですね。ほぼ。

例えば舞台をご覧になるジャンルなどは決まっていますか?

コンテンポラリー多いですね。

舞踏とか?

舞踏でもダンスでも。ただ、知り合いの方の公演をこなすだけで精一杯で、招待をうけたりしている公演に行ければラッキーといった感じです。
あとはマストで観たいギャラリーや美術展なんかには出来るだけ行くようにしています。
 

5 今だから話せる失敗談

失敗談!失敗談ありすぎて(笑)
たとえばモデルの歯が欠けてしまったこともありました。プールに飛び込んでもらったモデルが反対側の壁にぶつかって歯が欠けました。おぼれたこともありますし。
海での撮影では耳の中に砂が入って取れなかったりだとかもありましたね。
あとは、カメラが壊れたとか。ストロボが死んだとか。。いっぱいありますね。

水を使う撮影ですと、機材周りでのトラブルの確率は非常にあがりますよね。 BREATHのシリーズはダイビングプールでの撮影でしょうか?

そう、ダイビングプールで撮影しています。あと、波打ち際のシリーズは本当に壮絶で、僕が話すよりもアシスタントに聞いてもらったほうが苦労が伝わるかもしれないですね。モデルとアシスタントが互いに愚痴を言い合ったりしているかもしれません(笑)
 

6 思いで深い作品やエピソードなど

今までで一番苦労したのは障害者の方をモデルにしたときで、オファーするだけで半年くらい費やしていて、トータル10ヶ月くらいかかっています。モデルになってくれる方を探すのがすごく大変でした。
やっと知り合えたその障害者団体の方達に対して、どういった意図で撮影を行うのかをプレゼンテーションしたり、信頼関係を築いていくために、一緒に水泳教室に行って泳いだりもしました。
そして徐々にですが自分を知ってもらうことが出来、作品を完成することが出来ました。
 

7 クリエイターとして大切にしていること

コンセプトですね。最初の質問と通じているのですが、自分が迷ったときはコンセプトをもう一度見直したりしています。そこが一番大事かなと思っています。
でも、もちろんインスピレーションも大切で、直感的なモノとコンセプチュアルなモノとのバランスって非常に大切だと思うんです。
ファインアートであっても広告やエディトリアルであってもクリエイティブに対するスタンスは同じなんです。
誰がコンセプトを決めるかも大切な問題です。自分が決めるのか、クライアントが決めるのかによって違いますよね。
クライアントが決めるのであれば、クライアントの意向を汲まなければならないし、自分が決めるのであれば、自分が主導権をもってイメージを構築しなければなりません。
 

8 お気に入りの町とか行ってみたい所

難しい質問ですね。でもやっぱり南国が好きです。モルディブとか好きなんで。作品の中にもファイルしてあるのですが、何回も行っていますね。
写真を始める前からダイビングをやっていましたし、逆にダイビングがきっかけで写真を始めたのです、8カ国くらいのスポットで潜っていますね。
必然的に最初に買ったカメラが水中カメラなんです。ニコノスっていう水深60メートルくらいは大丈夫なカメラでした。
 

9 もしあればお勧めの本など

写真家って写真の本を見る人が多いけど、やはり他のアートもたくさん見たほうがいいと思います。
僕は色々見ますね。いまのお気に入りは松井冬子さんとか、上田風子さんとか。
上田風子さんってそんなに著名ではないかもしれないけどとても面白いんです。どちらの方も画家さんです。けっこう好きなんですよ。あとゴッホとかも。
あ、こういうバッハとかの音楽も好きだし。(会場で流れていたBGM)なんかその背景を見ると面白いですね。

様々なジャンルの作品に対して背景が知りたい?

そうですね、やはりコンセプトを聞くか聞かないかでだいぶ違うと思うんですよね。僕の作品でもそうだと思うんですよ。コンセプトを聞くか聞かないかで見方が変わると思います。

 

池谷さんにお話を伺った感想ですが、穏やかでとても気さくな雰囲気をお持ちなのに、内に秘めた情熱はとても熱いものをお持ちだなと感じました。
精力的に活動を続けてこられ、常に次を見据えて動き続けていらっしゃいます。
水という、生命の起源であり、必須要素であるにもかかわらず、コントロールできないものをテーマにされているところに、池谷さんの情熱の起源があるのかもしれないと垣間見えるお話でした。
今後も写真家「池谷友秀」の活動に注目していきたいです。
ありがとうございました。

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