「現代美術」と聞くと、何やら前衛的で斬新な作品が多い印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、作家によっては、ほとんど理解に苦しむような作品もあることは否定できません。
では一体、現代美術は我々に何を与えてくれるのでしょうか。
以前、ラジオでゲストで出ていた下着メーカーの女性社長がこんな事を言っていました。
「私は現代美術か好きで良く美術館に行くんです」。
“…さすが、わかる人にはわかるんだ。感性が違うんだな”
僕はその時こう受け取りました。
しかし、その次に社長から出た言葉が、
「自分が行き詰まった時に勇気を貰っています。だって、こんな馬鹿げた意味の無い物を作っている方が生活できて、人に求められているんだもの。自分も頑張れる!と思うんですよ」。
なるほど、ある意味この感じ方でも良いんだ。その時、何となく心がホッとしたのを覚えています。
人が決めた評価や印象を感じ取れないから、自分は芸術は分からない。ではなく、とにかく自分で感じたことを貫けば良いのではないでしょうか。
大きな作品を見て“大きいと思った”でも良いじゃないですか。
それ以上のそれ以下でもなければ問題はありません。
そこから先にどう活かすかは、自分次第ですから。
中込 公一