「名前で売れた画家」

世の中には「縁起担ぎ」と言って、無理矢理に何かにこぎつけた名前を重宝する風習があります。

確かに、縁起の良い固有名詞を自分の生活の一部に取り入れるだけで何となく運気がアップした気分になりますよね。

さて、そんな縁起担ぎで名を馳せた日本画家がいます。

その名が「根上富治」です。1895年に生まれた根上富治は端正で繊細な筆遣いで花鳥図を多く描き、帝展や文展で活躍し、美術教師として活躍したことでも知られています。

さて、ここまでは良いのですが、何とも商売人や相場師などにその名前のおかげで売れていきます。根上富治の名前をひらがなにした場合“ねあがりとみじ”となり、値上富ということで、非常に人気があったのです。

それを意識したのかしないのか、鶴に亀などめでたいモチーフを描き続けた根上富治は何ともユニークな人柄だったのかもしれませんね。

どうも日本画家というと、ちゃんとした自らの芸術作品ばかりを描いているイメージなのですが、実は松竹梅や鶴亀などの縁起の良い注文画を多く描いていたようです。

語呂合わせとはいえ、何となく日本画に親近感が湧くような面白いエピソードです。

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