「なんとか主義」とか「なんとか派」とかってなんなの!? 1/4

“ここからは「名前を聞いたことはあるけど、実は中身をよく知らない芸術の分野」についてお話していきます。とはいえ概要だけでも知ってもらい、大まかな雰囲気をとらえてもらえれば十分です。

美術史の流れはざっと以下の通り。

原始時代に生まれたと確認されている動物や植物を描いた【洞窟絵画】
→宗教的な意味合いも含められた女性像や土器などの【土器文化】
→その後、装飾化や小型化、素材の多様化が進んで生まれた【オリエント・エジプト・地中海美術】
→人間の理想を彫刻として表現した【ギリシャ・ローマ文化】
→宗教が世界中に広がっていき、その影響力をアピールするための【宗教芸術】
→技法や形式の分化が進み、多彩なジャンルが生まれていき、現在に至る

といったイメージです。

では、それぞれについて見ていきましょう。
まずは「ロマネスク」、「ゴシック」、「ルネサンス」、「バロック」、「ロココ」の5つ。この辺りは上記の【宗教芸術】と関連して、非常に近い存在であるといえます。しかし、それぞれ特有の表現形式や時代背景、成立過程などがあるので確認してみましょう。

ロマネスク=教会や聖堂などキリスト教施設において確立。古代ローマの影響と見られる半円アーチやボールト(かまぼこ型の天井)を中心とした構造が特徴。全体的に質素で小ぶりな様子でありながらも、重厚感がある。美術も同様に、キリスト教の逸話をテーマにした絵画などが展開された。
代表例はピサの大聖堂。

ゴシック=ロマネスク美術の延長にある形態。先のとがったアーチ状の屋根や、ステンドグラスを用いた大きな窓、そして高さと華やかさを追求した。ロマネスクとは対照的に、人間的・写実的なテイスト。ゴシックとはもともとルネサンス以前を「野蛮なゴート風の」とみなす蔑称だった。
代表例はパリのノートルダム寺院。

ルネサンス=イタリアを中心とした古典文化を再生させようとする動き。宗教的なモチーフは継続されつつも、より自由な表現が見られる。建築や絵画にとどまらず、文学や音楽、思想といった意味でもキリスト教の制限を超えた新しい作風が受け入れられた。ルネサンスは再生を意味する仏語。
代表例はレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』など

バロック=ルネサンスの延長にある、色彩や形状、動きや装飾に強烈な誇張をつけた作風。そのような表現を好んだのは、宗教改革や絶対王政といった政治的な背景があるとされている。「バロック」というのは「いびつな」、「異常な」、「悪趣味な」というニュアンスのポルトガル語「バロコ Barroco」
代表作はレンブラントの『夜警』

ロココ=バロック時代の豪壮・華麗で男性的な様式とは対照的に、繊細で優美な女性らしい表現が台頭。享楽と官能に満ちた貴族趣味のものと、庶民の日常を描いたものにわかれる。曲線的で複雑な模様や、白・ピンク・淡い水色などが特徴。フランス語のロカイユ(岩)を用いた装飾に由来。
代表作は『ポンパドール夫人』や、猫足の建築物”

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