“見る”てどういうこと!?

“アートを楽しむために何よりも必要なのは「感じる心」ですが、同じようにものをしっかりと「見る」ことも大切です。今回はそんな「見る」という日常的な行為について考えてみましょう。

まずは、ちょっとした実験を紹介。
両手で三角をつくり、その中に数メートル先のものを入れて覗いてみてください。そうしたら、右目と左目を片方ずつ閉じてみます。いかがでしょう、見ているものが片目のときに三角からズレてしまうのではないでしょうか。
この実験でわかるのは「効き目」です。片目を閉じても見ているものが消えなかった方が効き目となります。望遠鏡をのぞくときに使う目というのも参考にして良いでしょう。

目は見るものの対象をはっきりさせるために、無意識に効き目を軸として、反対の目が補いながらものを見ていることがわかっています。ダーツ、ゴルフ、スキーやスケートなどのスポーツシーンや、デッサンなどにおいて多少の影響があるといわれているので、試してみると意外な発見があるかもしれません。
利き目の判断と同じように、人間の目のはたらきは無意識に行われているものです。その仕組みとはたらきについて解説してみましょう。
ごく簡単に「なぜ見えるのか」を説明すると、「光のエネルギーが目の網膜というところに映し出されて、その情報を脳が処理している」ということになります。色や形といったことをすべて脳や神経の信号として変換する作業を経て認知しているわけですね。
とはいえカメラのようにすべてを正しく認識できるわけではなく、多少の誤差が生じるもの。視界にあるのに見えなくなる「盲点」といわれる作用がいい例です。そんな視覚のメカニズムを利用した「だまし絵(ふしぎ絵)」というのもありますね。有名なものはエッシャーの『滝』などがあります。鉛筆を上下に振ってふにゃふにゃのものに見えるというのも一つの錯視。単純に見て楽しむものから、ちょっとした仕掛けを施したトリックアートも人気です。

さらに、一見すると単純な視覚情報でもその解釈で異なるものとなっています。例えばタテとヨコのラインでは、同じ幅でもタテの方がすっきりと見えます。「体を細身に見せたいときはボーダー柄ではなくタテの線が強調される服にする」といったように、無意識にその効果や感覚を利用している人もいるかもしれませんね。色や形の情報はもちろん「なぜこのように見える形を選んだのだろう」ということを考えることで、作品に込められたメッセージをより深く、そして独自の視点で解釈できるようになるでしょう。”

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