第16回 その他、芸術のみかた 3/5

3. デザイン現代社会、私たちの身の回りはデザインされたものであふれています。食品や生活用品などの工芸製品、住居や建築物、標識や文書といった事務的告知、さらに広義の意味では、キャリアデザイン(職業を通して人生を構想していくこと)といったような、色や形がないものもデザインの範囲に含めることができます。すべての分野において、人に何かを伝えるために、そのものをより良く見せるためにすることがデザインといえるのです。英語で書くと「de-sign」。つまり 「sign=示す」 + 「de=しっかり」 という由来で、「しっかり示す」と解釈するとわかりやすいかもしれませんね。商品であればおいしそうに、イベントであれば楽しそうに、すべての情報を最適な形で表現する役割を果たしているのがデザインです。その根本にあるものは、人に何かを伝えること。そういった意味ではアートと非常に近い位置にあるともいえます。

何の変哲もないように思えるデザインも、遊び心やインパクトのあるデザインも、目的は「より良く人に意志を伝える」ためのものです。必然的にデザインのみかたとは、「何を伝えたいのかを読み解く」ということになります。デザインを通して、対象をどう表現したいのか、どう伝わってきたのかを素直に考えてみてください。そういった意味では、「ロゴ」が良い例として挙げられます。なぜなら企業や商品がそれ自身を示すシンボルとして掲げるマークなので、コンセプトやテーマが小さな図や記号の中に凝縮されているからです。おそらく大半の企業では、ウェブサイトなどでロゴのデザインコンセプトがわかるので、調べてみると良いでしょう。さらに、そういったデザインや表現のアイデアをたくさん知っておくと、過去との比較や競合との差別化を自身の中で図ることができます。また、あるデザインについて調べてみると、コンセプトとともにデザイナーなどが紹介されている場合も珍しくありません。アートと同じように、作家(デザイナー)で見ないことも重要ですが、その人の作品にお気に入りのものがいくつもあれば、その人の作風と自分の好みがマッチしているといえそうです。

クリエイターという難しそうな肩書きに戸惑う必要はありません。デザインは技術やセンスが求められる分野ですが、人々の生活に関わっているため、身近なものとして親しめるものです。デザインはアートとビジネスの絶妙な境界にある分野。アートのエンターテインメント性と、ビジネスのようなメッセージ性を楽しんでみてください。


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