第17回 その他、芸術のみかた 4/5

4. 建築、インスタレーション建築は人類の生活に欠かせない衣食住のうちの一要素として、数千年から数万年以上の歴史の中で文化とともに発展を遂げてきました。そのみかたを一言でいうと、「生活感」です。見た目ではおよそ住居とは思えないほど洗練されてきた現代建築においては、生活感を持たせないことが一つの課題と思われている節がありますが、必ずしもそれが正しいとは限りません。要するに、建築はあくまで人が住んだり、仕事をしたり、何かの活動をするための場なので、そこには必然的に生活と結びつくイメージや人間らしい行為を思わせるコンセプトが息づいているものです。というのも、建築の技術は現代になっても土木工学のノウハウにも派生していますし、実用性と芸術性を兼ねた分野であることを一つの特徴としています。古代ギリシアのパルテノン神殿から、東京スカイツリーまで、人によって建てられたものは人がそこで何かをするためのツールとしての機能を読み取ることが大前提。さらには世界各国、各地域の生活様式や文化を知ることも魅力となります。食物や特産品などと同じように、その地方で使われている材料や工法には、その地方ならではの由来があることが多いです。可能であれば触れてみて、建材そのものを味わうこと。人の暮らしや歴史が息づくものとして、建築というアートを人々の生活を透かし見ることを楽しめます。
インスタレーションというのは、あまり聞き馴染みのない言葉でしょう。わすか数十年前あたりに生み出された新しい概念の芸術様式です。一言で簡単にいってしまうと、「物の置き方」といったところ。どういうことかというと、大小広狭問わず、空間そのものをキャンバスとして、アート作品を展開していくことです。例えば「お化け屋敷」。どこにどういったものを配置するのが、もっとも人を怖がらせるのに効果的かを探るものですよね。かなり身近な一例として挙げましたが、もちろん他にも大規模なモニュメントを設置するものや、特殊装置を用いて空間そのものをアレンジする手法も多くあります。こういた形式を取るアート作品のみかたは、悪意を抱かずに楽しむことの他にはありません。他の芸術作品に対しては、「自分ならこうしてみる」といったような視点で鑑賞するのも有効ですが、インスタレーションにおいては純粋な体験をする方が得策といえます。というのも、どれもこれも非日常の世界を展開してくれるものだからです。疑いや不信感といった目で見るよりも、素直に作品の中に入り込み、新たな発見や新鮮な感動を覚えやすいのがインスタレーションの特徴でもあります。いろいろな初体験こそがアートの目を養う近道でもあるので積極的に、肯定的に楽しんでみてください。

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る