食のグローバリゼーション 2

机以外の四本足、両親以外の二本足の動物を食材とする中国の食文化

~ 中国 鶏足・ザリガニ料理 ~


「四本足は机以外、二本足は両親以外、飛ぶ物は飛行機以外、水中の物は潜水艦以外なんでも食べる。」これが中国の食文化、食材選択の基準と語られることがある。勿論、冗談なのだが、あながちジョークとして笑い飛ばすことのできない食文化を中国はもっている。

中国でレストランに入ると、様々な珍しい料理に出会える。牛、肉、鶏などの肉類から魚介類から蛇や昆虫に至るまで、人間のまわりの動植物の全てが食材となる。そればかりではない。各々の動植物の全ての部位が食材として活用されるのだ。

豚であれば、耳から足まで全てが食材だ。胴体の部分だけを食べるだけではもったいない。豚耳だって豚足だって、立派な食材なのだ。日本の焼肉店などでは、「ホルモン」を見かけることがあるが、中国人は放らない。豚一頭、丸ごと食べる。

であれば鶏だって、丸ごと食べなければならないだろう。一羽の鶏には、トサカから足まで特徴をもった部位がある。トサカを使った料理があるという話を聞いたことはあるが、実際に出会ったことはない。でも足の指は、広東省あたりではよく見かける人気食材だ。

鶏足と書いて「もみじ」と読むことができる。指を開いた形は紅葉を連想させる。指先の鋭いツメを切り離せば、立派な食材となる。醤油、みりん、老酒、八角、唐辛子などと一緒に、じっくり煮込めば「もみじ」の完成だ。煮込むだけでは型崩れを起こさないため、皿にはそのままの姿で盛りつけられる。地上の土をとらえて歩きまわる鶏の姿が連想され、口に入れることに抵抗感が生じるが、口に入れてみるとプルンプルンの食感がたまらない。コラーゲンたっぷりのヘルシー料理だ。その味に慣れれば、おやつ感覚で口に運びことになる。食事の初めのオードブルとして、ビールに最適だ。

視線を養鶏場から、身近な水辺に移してみよう。子どもの頃には、自宅近くの溝川でザリガニ獲りをしたものだ。ザリガニは汚れた水辺でも生きていける生物だ。泥の中かで探し出したザリガニは、異臭を放ち食材になるとは思えない。でも中国人にとっては立派な食材だ。いくら洗っても、ザリガニにはやはり臭みが残るため、スパイシーな調味料を使って炒める場合が多い。豆板醤、唐辛子、花山椒、ネギ、生姜、ニンニクなどが臭みを抑えてくれる。真赤にザリガニが、ボールのようなトレーにどっさりと詰め込まれる。エビのようにも見えるが、やはり紛れもないザリガニだ。

食べ方がよくわからないが、トレーと一緒にハサミとエンボス加工された半透明の薄いビニール手袋が出てくる。これらのグッズを使わなければ、ザリガニを味わうことはできない。頭部の甲羅を剥がすと、黄色い身が現れる。丁度、カニミソのような味わいだ。全体的に殻がとても固く、特にハサミの部分を処理するのは一苦労だ。補助グッズを油で、べたべたにしながら、身を穿り出して、ザリガニ全身の身を味わう。エビを少し淡白にしたような味わいだ。殻が硬くて苦労するのに、身が少ないので、労多くして益少なしの感がある。食べるより、殻と格闘する時間の方が長くなる。周囲の中国人のように、自分の歯でバリバリ、殻を噛み切れるといいのだが、丈夫な歯を持っていないことが残念だ。豊かな食材を味わうためには、健康な体を維持することが必要といえる。

 

世界各地に出かけると様々な、珍しい食材や料理に出会うことができる。日本では味わえない味覚に出会うと食文化の深さを強く感じる。地球上の様々な地域に出かけて、食のグローバリゼーションを図りたいものだ。

 

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