カテゴリー:Zief Spielzeug Kasten
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夢を繋ぐ、ヴァイオリニスト森悠子
チェリスト青木十良が亡くなって4ヶ月が経つ、未だご遺族との挨拶を交わせずにいる、心苦しい思いである。 先日、朝日の夕刊の惜別欄に青木が紹介されていた、”自然な響き 気品問うた反骨家”という見出しに頷き、その反骨精神はゆ…詳細を見る -
五木田智央-不完全な美ほど人を虜にする
ベーコンが画家として頭角を現したのはタシスム(50年代にフランスで起こった抽象表現主義の一風潮、フランス語の染みや汚れと言ったtacheに由来する)全盛の頃、自己実現を実践した数少ない画家であった。 当時ニューリアリズ…詳細を見る -
カリカチュアを地で行く赤瀬川原平×尾辻克彦
今年に入って、赤瀬川原平の展示会がやたら多いのに気づく。 又の名を尾辻克彦、何れも同一人物である。画家と作家を行き来するアーティスト、こちらから見ればなんと欲張りなと言いたいぐらいの才能の持ち主、羨望の的の一言に尽きる…詳細を見る -
純粋さの中に潜む怪物、ウィレム・デ・クーニング
初っぱな目に入ったのが”マリリン・モンローの習作”という絵だった。 あの蠱惑的なモンローのイメージを完全に破壊し、その画はある種の媚態に包まれていた。 赤が際だっていた、とくに胸元は赤一色に染まりデ・クーニングの…詳細を見る -
食の安全という神話、そして鎮魂@オーガニックEXPO 2014
11月中旬、ビックサイトに於いて” BIOFach JapanオーガニックEXPO 2014”が催された。 このイベントに毎回招かれ時間の許す中で出かけている、この展示会…詳細を見る -
映画監督、小林広司君を忘れない
日曜日は安息の日、殆どの人はそういう日常を送っている。 安息日、神エホバが天地創造7日目に休息したとするキリスト教の教義に行きつく、キリスト教徒は安息日に働いてはならない、キリスト教徒と無縁の大多数の日本人は日曜日に教…詳細を見る -
もし私の運がいいというのなら
仕事に行き詰まると、PCのメニューバーにブックマークしてあるラジオストリーミングサービス” Radionomy(ベルギーに拠点を構えるインターネットサービス企業)”をクリックする。 そこにはChill-out・Clas…詳細を見る -
“まちや紳士録を見て 暮らしとまちを考える会”で聞いたこと、見たこと
嬉しい知らせが飛び込んできた、昨年コラムで紹介したドキュメンタリー映画”まちや紳士録”がサントリー地域文化賞を受賞したとTV番組制作会社のK氏よりメールが届いた。 受賞理由は地域の文化遺産である町家を一軒でも多く残すた…詳細を見る -
道化師は人の影、そのものだ
新宿にあるパークタワーへよく出かける、それも自転車で。 窮屈な満員電車に揺られながら出かけるのはしんどい、その点自転車は神経を使わなくて済むから気楽だ。 自転車に乗るようになったのは、大分前に地下鉄の永田町で乗り…詳細を見る -
音色は聴く人の耳の中にある
シューベルトがこんなにも激しい音楽家だったとは思わなかった、鍵盤から放つ音は鋼鉄の階段であり、強固な自我を想像させた。 秋の調べにふさわしく、気楽な気持ちで王子ホールへ出かけて行った。 曲目はピアノ・ソナタ、シュ…詳細を見る -
三木富雄の”左耳”が脳裏から離れない
以前、竹橋の美術館で”映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める”を見た後、館内の別フロアーの常設展へと移動した。 この美術館に来ると必ず見るものがある、それはアルミ合金で作られた”左耳”の彫刻。 他の展…詳細を見る -
酒色に耽溺し、キャンバスに溺れたジャクソン・ポロック
これが絵か、それとも児童が思いのままに描き連ねた絵なのか……と、傍らで老夫婦がヒソヒソ話をしながらその絵を眺めていた。 2年前、東京国立近代美術館で” 生誕100年 ジャクソン・ポロック展”を観た時のことである。 …詳細を見る -
本屋に蜜の在処をさがしに
机の周りには読みかけの書物がいくつも散乱している、ハードカバーやらペーパーバックそして出版社からのPR誌と、どれもこれも中途半端のままだ。 読みたくて書店へ注文するも、栞は前半のところに挟まって弁当箱のように重なり合っ…詳細を見る -
言葉を紡ぐ、ひとり語りの世界
舞台の幕が開いた、弱めのピンスポットが彼女を照らす、少し緊張しているようだった。 そのこわばった表情がこちらにも伝わり、なんとも座り心地が悪い。 観客に軽く会釈し朗読が始まる、だがその心配も杞憂に終わりいつしか座…詳細を見る -
休符を打ったチェリスト、青木十良
寝室に向かおうとしたとき携帯にメールが届いた。 ”誠に残念なお知らせです。青木十良さんが逝去されました” 時刻は深夜12時を指していた。 文面はさらに続く、葬儀が既に近親者で済ませていたこと、訃報の知らせを…詳細を見る -
モダン・デザインの覇者、ジョージ・ネルソン
椅子に座ることが宿命のような生業、従って腰痛には大分悩まされ続けた。 その中で想像を巡らす、だがその思案もいい加減なもので幾度も己自身との誘惑がせめぎ合う。 要は気が散るのだ、車の音、女性の悲鳴、カラスのゴミ漁り…詳細を見る